女性だけでなく男性にとっても常に気になるのが「肌の悩み」。
生活習慣の乱れや仕事のストレス、糖質・脂質のとりすぎ…などの様々な要因で、
と感じている人も多いのではないでしょうか?
最近ではマスクによる肌荒れに悩む人も急増しています。
肌トラブルをとにかく早く治したい!
という人のために、今回は肌荒れの改善に効果的な栄養素5つについてお話しします。
肌荒れを治すためには、「外側からのケア=スキンケア」と同様に、「内側からのケア=食事」も必要です。
この栄養素を積極的に食事に取り入れることで、肌荒れを早く改善できるだけでなく、治った後も肌荒れしにくくなります。
「一体、何を食べたら良いの?」という人のために、
コンビニでも手に入る、肌荒れの改善におすすめの食べ物を合わせてご紹介します。
肌荒れが治りにくい…、肌荒れを繰り返す…という人は、ぜひ意識的に取り入れてみてください。
肌荒れを早く治したい時にとりたい5つの栄養素
肌荒れに効果的な5つの栄養素がこちら。
ビタミンA(βカロテン)、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、タンパク質
他にも肌荒れに効果的な栄養素はありますが、今回は特に有効なこの5つに絞って解説していきます。
ビタミンA(βカロテン)
ビタミンA(βカロテン)の主な働きは、
ビタミンAは肌に欠かせない「潤い」を与えてくれるため、特に乾燥肌を改善するのに有効な栄養素になります。
脂肪は過剰に分泌されてしまうとニキビなどの原因になりますが、逆に少なすぎると乾燥を悪化させてしまうため、適量をコントロールすることが重要になります。
ビタミンAは脂肪分泌をコントロールし、肌を内側から保湿してくれます。
ビタミンAにはレチノールやβカロテンなど様々な種類が存在します。
動物性食材は主にレチノールとして含まれ、緑黄色野菜など植物性食材は主にβカロテンとして含まれています。
名称は変わりますが、働きはほぼ変わりません。
ただ、レチノールの方がβカロテンより効率よく体内で吸収されるため、ビタミンAの摂取を目的とするのであれば動物性からの摂取が有効になります。
しかし、βカロテンにはビタミンAとしての働きだけでなく、抗酸化作用も持ち合わせているため、レチノール・βカロテンどちらもバランスよくとるのがおすすめです。
摂取上の注意
βカロテンでは過剰症が起こりにくいものの、レチノールからの摂取が多い場合、頭痛や吐き気を伴う過剰症を引き起こすことがあります。
特に妊娠中の人が過剰に摂取をしてしまうと、胎児に影響を及ぼすことがあるため注意が必要です。
また、動物のレバーはレチノールの含有量が飛び抜けて多く、レバーの食べ過ぎによる過剰摂取にも注意しましょう。
以下の1日あたりの耐容上限量を超えないことが大切です。
※日本人の食事摂取基準(2020 年版) – 厚生労働省 参照
ビタミンAを多く含む食材
- 野菜類…モロヘイヤなど葉物、にんじんなど緑黄色野菜
- 肉類…鶏レバー、豚レバー、牛レバー
- 魚介類…ウナギ、アナゴ、ギンダラ、ホタルイカ
- その他…卵(特に卵黄)、アンズ、温州みかん、バター・チーズなどの乳製品、海苔・青海苔
ビタミンAは油に溶けやすい性質があるため、油と一緒にとることで体内での吸収率がアップします。
野菜のドレッシングは油の入ったものを選んだり、炒める時にバターを使うのもおすすめです。
ビタミンB2
ビタミンB2の主な働きは、
ビタミンB2には皮膚の新陳代謝を促す働きがあります。
皮膚の代謝を促すことで肌の生まれ変わりをサポートし、肌トラブルの改善へと導きます。
さらに、ビタミンB2は三大栄養素全てのエネルギー代謝に関わります。
特に脂質の代謝がうまく行われないと、余分に皮脂を分泌してしまい、ニキビや吹き出物ができやすい肌になってしまいます。
脂質代謝を助ける栄養素は少なく、ビタミンB2はその点においても重要な役割を持ちます。
摂取上の注意
ビタミンB2は水溶性のため、過剰に摂取しても尿などによって体から排出され、過剰症のリスクはほぼありません。
逆に不足してしまうと、口内炎や口角炎・舌炎などの症状を引き起こす場合があるため、推奨量を目標として積極的な摂取を心がけましょう。
※日本人の食事摂取基準(2020 年版) – 厚生労働省 参照
ビタミンB2を多く含む食材
- 野菜類…モロヘイヤ、豆苗、菜の花、大葉、ブロッコリー、舞茸
- 肉類…豚レバー、牛レバー、鶏レバー
- 魚介類…ウナギ、魚肉ソーセージ、サバ、ブリ
- その他…卵、納豆、チーズ、アーモンド、海苔
ビタミンB2は水溶性ではあるものの、比較的水に溶け出しにくく、また加熱にも強いことから様々な調理法で摂取できます。
ただし、光に当たるとビタミンB2が失われてしまうため、食材を保存する際にはすぐ冷暗所におくなど注意が必要です。
ビタミンB6
ビタミンB6の主な働きは、
ビタミンB6は三大栄養素の一つであるタンパク質(アミノ酸)の代謝を助けます。
タンパク質がうまく代謝されないと、肌の再生も進まず肌荒れの改善に時間がかかってしまいます。
その他にも、多くの酵素を助ける「補酵素」としての役割も持ち、体内の様々な代謝をサポートします。
摂取上の注意
比較的過剰症は起こりにくいものの、一度に大量の摂取をしたり、長期間の過度な摂取が続くと、神経障害や口内炎などを引き起こす可能性があります。
必ず1日の摂取量が耐容上限量を超えないよう注意しましょう。
※日本人の食事摂取基準(2020 年版) – 厚生労働省 参照
ビタミンB6を多く含む食材
- 野菜類…ニンニク、ししとう、赤ピーマン、モロヘイヤ
- 肉類…牛レバー、鶏ひき肉、鶏ささみ
- 魚介類…マグロ、カツオ、イワシ、白鮭、サバ
- その他…ピスタチオ、くるみ、ごま、玄米、バナナ
ビタミンB6は水に溶けやすく、熱にも光にも弱いことから、調理による損失も多く、食材の保存中にも少しずつ失われる可能性があります。
また、冷凍保存をしても含有量が減ってしまうことがあるため、食材は保存せず、なるべくすぐ食べるようにしましょう。
吸収率の割合から、植物性より動物性の方が効率が良いとされているため、魚介類や肉類から積極的にとるのも一つの方法です。
ビタミンC
ビタミンCの主な働きは、
美肌を作る上で欠かすことのできないビタミンC。
肌トラブルを解消するのに多くの働きを持っており、特にコラーゲンを作る上で欠かすことができない栄養素です。
コラーゲンは肌のハリを守ってくれるだけでなく、血管を健康に保つ役割も担います。
また、メラニンの生成や色素沈着を防いでくれる働きもあるため、日焼けによる肌トラブルやシミ・くすみなどにも効果的です。
強い抗酸化作用によるアンチエイジング効果も期待できます。
摂取上の注意
水溶性のため、必要以上にとりすぎても尿などで体外に排出され、過剰症は起こりにくいとされています。
しかし、まれに過剰摂取によって吐き気や下痢などを引き起こす場合があるため、くれぐれもサプリメントのとりすぎなどに注意が必要です。
逆に不足すると、皮下や歯茎から出血を起こす壊血病の原因になるため、推奨量を目標に摂取するよう心がけましょう。
※日本人の食事摂取基準(2020 年版) – 厚生労働省 参照
ビタミンCを多く含む食材
- 野菜類…赤ピーマン、菜の花、ブロッコリー、カリフラワー、かぶ(葉の部分)
- 果実類…アセロラ、レモン、ゆず、キウイ、イチゴ、ネーブルオレンジ、柿
- 芋類…じゃがいも、サツマイモ
ビタミンCは水に溶け出しやすいだけでなく、熱・光に弱く、酸化もしやすい非常にデリケートな栄養素です。
しかし、芋類に含まれるビタミンCはデンプンに守られているため、加熱でも損失しにくく、水にも流れ出にくい特徴があります。
ビタミンCは体に溜めて置くことができないため、毎日欠かさず摂取することが大切です。
そのまま食べることができる果物や、長期保存できる芋類を積極的に食事に取り入れ、ビタミンCをしっかり摂取するようにしましょう。
タンパク質
タンパク質の主な働きは、
タンパク質は、人間の様々な組織を構成している重要な栄養素です。
皮膚の細胞を作り、肌のツヤやみずみずしさを保つ役割を持ちます。
タンパク質に関してはこちらの記事でも詳しく解説しています。
摂取上の注意
食生活が豊かになった現代でも日本人のタンパク質摂取量は不足気味だとされています。
そんな中、最近では「プロテイン食品」の普及により、手軽に美味しくタンパク質が摂取できるようになりました。
不足傾向ではあるものの、とりすぎると肝臓に負担をかけてしまう場合もあるため、1日の推奨量を目標とし、とりすぎには注意しましょう。
※日本人の食事摂取基準(2020 年版) – 厚生労働省 参照
タンパク質を多く含む食材
- 肉類…鶏のささみ、鶏むね肉、豚のヒレ・ロース・モモ肉、牛のモモ肉
- 魚介類…カツオやマグロなどの赤身魚、サバやブリなど青魚、鮭、ツナ缶
- 豆類…豆腐、納豆、おから
- その他…卵、チーズなどの乳製品、お麩やパンなど小麦製品
タンパク質のみで摂取した場合、エネルギーを作り出すときにアミノ酸も利用されてしまうため、アミノ酸を必要とする組織に供給されるアミノ酸の量が減ってしまいます。
それを防ぐためにも、タンパク質と一緒に適量の糖質をとることで、タンパク質の前に糖質がエネルギー源として使われ、アミノ酸消費の節約になります。
糖質には様々な種類がありますが、できれば砂糖やお菓子など甘さを感じる食品ではなく、ご飯やパンなど主食からとるのがおすすめです。
おすすめの食べ物(コンビニで手に入るもの)
ここまで栄養素の働きと栄養素別に食材を紹介してきましたが、「多すぎて一体どれを食べたら良いのかわからない!」という人のために、コンビニでも手に入るおすすめの食べ物をご紹介します。
それがこちら。
一つずつおすすめの理由をご紹介します。
カットサラダ(赤ピーマンやパプリカ入りのもの)
赤ピーマンやパプリカは、ビタミンCが豊富なだけでなくβカロテンも含みます。
彩りが良いことからカットサラダにも最近よく利用されています。
ドレッシングに油分の入ったものを選ぶことで、βカロテンの吸収率もアップします。
バナナ
果物の中で珍しくビタミンB6を含んでいるのが「バナナ」です。
加熱しなくても食べられるため、ビタミンCも一緒に摂取でき、片手で手軽に食べられるのも魅力です。
最近ではコンビニでも野菜や果物が販売されているため、比較的手に入りやすくなりました。
甘いものを食べたくなったときの間食にもおすすめです。
サバ缶(焼きサバ)
サバはビタミンB群を多く含むだけでなく、良質な油も豊富です。
肌の潤いを保つためにも、適量の良質な油は必要になります。
最近ではサバ缶ブームの影響から、コンビニでも多数のサバ缶が並ぶようになりました。
種類も豊富で用途や好みに合わせて飽きずに食べられ、何より開けてすぐ食べられる手軽さが魅力です。
お惣菜として販売されている焼きサバもおすすめです。
納豆巻き
大豆製品の中で唯一ビタミンB6を含んでいるのが「納豆」です。
納豆はタンパク質も豊富なだけでなく、発酵食品でもあるため、腸内環境を改善してくれる効果があります。
便秘などが原因で肌荒れが起こる場合もあるため、肌荒れの改善には腸内環境を整えることも大切です。
納豆菌は加熱に弱いため、できれば加熱せずにそのまま食べるのがおすすめです。
また、タンパク質の利用を高める糖質(ごはん)、ビタミンB2を含む海苔も一緒に食べられるため、これ一つで多くの肌荒れ改善効果を得ることができます。
チーズ
チーズは、ビタミンA、ビタミンB2、タンパク質など、肌荒れに有効な栄養素をたっぷり含む優秀な食品です。
最近では多種多様のチーズがコンビニに並ぶようになり、量も少量から購入できるようになりました。
チーズは比較的腹持ちがよく低糖質でもあるため、ダイエット中の間食としてもおすすめです。
可能であれば、プロセスチーズではなくナチュラルチーズを選ぶと発酵の効果も得られ、腸内環境の改善も期待できます。
ただし、チーズは塩分が高く脂質の含有量も多いため、食べすぎると逆に肌荒れになる場合もあます。
1日に食べる量を決めて、くれぐれも食べ過ぎには注意しましょう。
終わりに
今回は肌荒れを早く治したい時にとりたい栄養素と食べ物について解説しました。
忙しくなるとつい食事を適当に済ませがちですが、肌荒れに悩んでいるのであれば、ぜひ一度食事にも目を向けてみてください。
食事と合わせて適切なスキンケアもお忘れなく。